ひとこと絵日記

30代 仕事とゆっくり好きなもの

おばあちゃんの詩

 

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おばあちゃんの詩

 

デイサービスのお話。

 

おかげさまで、今のデイサービスへ入社してからちょうど丸一年が経ちました☺︎

 

本当に、歳を重ねるごとに時間が経つ早さが増しているように感じます。ぞっ。

 

転職を決めた当初の理由は、柔道整復師の仕事をもう少し勉強したかったためです。

 

以前のところでは、役職としては機能訓練士ではあったものの、実際は介護の仕事が大部分で、運動や歩行訓練、リハビリにかけられるのはごくわずかな時間。利用者様が思うような訓練を実現できず、試行錯誤と葛藤の毎日でした。

 

 

柔道整復師理学療法士作業療法士、看護師などの資格を持つ方が、福祉施設へ機能訓練指導員として、リハビリの業務を目的に入社しても、実際は介護員の人手不足で介護業務に引っ張られ、本業を生かせないことにもやもやしてすぐに辞めてしまったり他職種の方と揉めてしまったり、という話もよく聞かれます。

 

 

今の会社は柔道整復師が中心となるデイサービスのため、本来の資格を生かしながら勉強できる時間も増えました。

 

ですが、その前に、私はしっかり介護現場を経験して良かったなと、今になって改めて感じています。

 

お風呂やトイレ、寝起き、着替え、靴の脱ぎ履き、歩行器や杖のこと、階段などなど

 

どこが痛いと何が辛くてどうしたら自分でできるようになるのかが

 

間近で見て聞いて、実際に一緒にお手伝いしてきたことで、おばあちゃんたちの悩みを聞く時も、きっとこの部分は辛いね、と、具体的にイメージしやすくなりました。

 

 

利用者様が"今より身体が衰えた将来"への不安の相談も多いですが、そこまで不安にならなくてもいいこともあるので、経験を交えてお伝えしています。

 

利用者様の多くは、はじめは施設を利用することに若干抵抗があったり、自分にはまだ早い、暗い、本当に年寄りが行くところ、のようなネガティブな印象を持たれています。

 

ですが、実際に利用してみたり見学すると

 

「もっと早く来れば良かった、こんなに明るくて楽しいと思わなかった」と表情が明るくなる方も少なくありません^^

 

施設により、職員の色や雰囲気は様々かと思いますが、今のデイサービスは特に明るく気持ちの良い雰囲気です^^

 

 

 

整骨院で、治療の知識を深めたい気持ちも捨てきれず悩んでいた日々でしたが、この頃、少し悩みが晴れる出来事がありました。

 

とあるおばあちゃんとの交流のお話。

 

これまであまりお話する機会を持てなかったおばあちゃんなのですが、ある話題をきっかけにぐっと距離が縮まりました。

 

 

その方、Kさんは、詩を書くのが好きで、毎週、詩が書かれた小さな紙を折りたたんでカバンに忍ばせて持ってきていたそう。読んでもらいたいけど、こんな変な詩は恥ずかしいし、興味ないと思うし、みんな忙しいだろうからなかなか見せれなかった、との事でした。

 

 

送迎の車内で、お互い歌が好き、という話から発展し教えてくださいました。

 

 

Kさんは脳梗塞パーキンソン病を患っており、手の震えも強く歩行器でやっと移動ができるお身体なのですが、毎週休まず運動に励まれています^^

 

テレビがつまらん時に、手の震えが弱まる頃を見計らって書くのだそう。

 

 

「仕事中は忙しいだろうから、もし手があいて無理なく見れる時間があったら読んでね」と気遣って下さり、私は一通りの施術を終えてからほんの数分でも必ずKさんの詩を見る時間を作るのが日課になりました。

 

 

故郷のことを思うあったかくて優しい詩

生きる辛さを正直に書いた詩

季節に沿った詩

震災の時の詩

病気を患った時の詩

 

 

業務中にもかかわらず目を潤ませてしまう私。字の線は震えていますが、とても綺麗な字で書かれていて、言葉がまっすぐ伝わる本当に素敵な詩ばかりです。毎週新作を書いて持ってきてくださるので、とても楽しみにしています^^

 

 

 

デイサービスの往復送迎の運転は正直大変で、危険な場面も多い業務。

 

面接の際には必ず「送迎業務も含まれますが大丈夫ですか?」と確認され、短時間の2部制のデイサービスは一日に2往復のため負担はさらに大きくなります。

 

専属の運転手さんをシルバー人材で雇っているところもありますが、先日他県で高齢ドライバーの体調不良による交通事故のニュースが記憶に新しいです。

 

人件費を現場の介護員にあてるためドライバー不在、現場の職員が送迎にあたる施設が多いのが現状じゃないかと思います。

 

 

整骨院と大きく異なる業務でもあり、正直何十人何百人の方とお話するのは楽ではなく、反動で一言も喋らず本に囲まれていたい気持ちになることもしばしばです。

 

ですが、施設内の広い空間とはまた違った、砕けた話題や、本音もぽろり話してくださる場所でもあって、車内での会話の時間は大事にしています。

 

この距離感と対話の時間も、きっと整骨院ではなかなか経験できないことかなと思いました。

 

 

 

私の実の祖父、祖母は、満足に孝行できないまま他界してしまいました。

 

今週、何の知らせか、初めて母方の祖父母が2人揃って夢に出てきてくれました。

 

 

今おばあちゃんに会えたら、話したい事、したいことが山ほどあります。

 

 

後悔してもしきれないのですが

 

せめて、今ご縁がある利用者様との時間は大事にしたいと思いながら過ごしています。

 

 

一喜一憂、悩み不安も尽きません。

 

でも今自分の力が十分発揮できるのは

やっぱり今この仕事なのかな、と再確認できた1ヶ月でした。

 

おばあちゃんはそのために出てきてくれたのかな(^_^)

 

 

帰りにオロナミンCをポケットに忍ばせてくれる利用者様がいます。私のおばあちゃんの家には必ずオロナミンCがあったことを思い出します。

 

 

私も少し詩を書いてみたくなりました。

 

 

2年目も頑張ります。

 

 

大丈夫大丈夫☺︎